雨霞 あめがすみ

過去に書き溜めたものを小説にするでもなくストーリーを纏めるでもなく公開します。

鉛色の出来事 梗概

始めたばかりで、はてなの感触がまだもう少しというところです。しかし記事は書けますので、ボチボチ行こうと思います。

 

これは長編の一部として書いたものですが、短編としても構成できますので、これを関する梗概を取り合えず最初に公開します。

 


鉛色の出来事

 

梗概

 

小学校の同窓会の知らせがあった。
子供の頃に良い思い出などまったくない。
行く理由もないが、何故かふとそのつもりになった。不愉快な思い出は、それ故にむしろ私を引き寄せるのものがあった。

久しぶりに訪れた小学校の校庭は、建物は概ね建て替わっているが、古い体育館とソテツのある植え込みはそのままだった。石組で囲われて大きなソテツが植わっていて、それは今も同じ状態で残っている。

石組みの陰に隠れるようにして、彼女は誰と遊ぶでもなく、一人で座って地面に奇妙な絵を描いていた。

彼女の名は、長谷まり子と言った。

長谷がどんな家庭環境に居たか知らない。どこから通ってきていたのかも遂に知らない。いつも汚れた服を着通しで、誰も彼女の隣に座りたがらなかった。遊び友達も居なかった。自分から他人に言葉を発することさえなかった。

極貧の、修羅に近い家庭環境ではなかったか。

そんな彼女を巡ってのトラブルがあった。切っ掛けは些細だったが、それは私にとって、事件と呼べるほどの出来事になった。

私という人間の、その後の人格を形成してしまうほどの出来事だったといっても過言ではない。

 

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梗概はここまでです。少しずつ本編を公開して行きますので、よろしければ是非お読みください。