雨霞 あめがすみ

過去に書き溜めたものを小説にするでもなくストーリーを纏めるでもなく公開します。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

水色の日傘 梗概

小学生当時、苦手な公園野球のメンバーに無理やり組み入れられて適当に恥をかいた。 試合後、相手チームの篠田と愚痴った。篠田もやはり運動音痴だ。愚痴を切っ掛けに親しくなれそうだった。 すると、公園の端っこに子連れの若いおママさんがかき氷の店を広…

鉛色の出来事 終章 後記

奇妙なのだが、長谷に関する私の記憶はここで全く途絶えている。そこからまるで、刃物で切られた糸のようにぷっつりと、以後はまったく、かけらのような記憶もない。 暑い時期に差し掛かって、プールの授業も始まったが、長谷が水に浸かっている姿を、私は見…

鉛色の出来事 本編 十二

自分から接近して置いて遭遇はないだろうが、私にしても長谷という得体の知れない未知のものに初めて遭遇したようなものだった。 以後の成り行きはもう覚えていないが、後はもう話すこともなく無言で適当な絵を描いたに違いない。 絵は後で必ず先生に講評さ…

鉛色の出来事 本編 十一

まったく意外と言うしかなかった。 井植は、この家の前で長谷の姿を何度か目撃したと言う。住んでいるのだと思ったらしい。 すると我が家は長谷一家と入れ替わるように入ってきたのだろうか。 私は思わず井植に問うた。 「それ、いつ頃の話なん」 「いつ頃言…

鉛色の出来事 本編 十

結局私は大風邪をひいて寝込んでしまった。 落っことしたサバの泥を母が苦労して取って、帰宅した父の食事の用意もそこそこに、私は一度潜り込んだ布団から這い出て、母に付き添われて医者へ行った。 なにかあると近所の子供は大方そこに行くことになってい…